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意外な良作【セブンティーン・アゲイン】考察と見どころ 〜変えるべきは過去ではない〜

 みなさん、こんにちは!なつをです!

 いつも足を運んでいただきありがとうございます。

 

 みなさんは「もう一度あの頃に戻れたら、、、」なんて考えたことがありますでしょうか?

 

 私にももちろんあります。「もっと勉強しておけば、、、」「もっと部活の練習を頑張っておけば、、、」などなど数えればキリがありません。

 

 今回はそんなある種の後悔に関係した映画のご紹介です。(後半に考察あり)

 

 本日ご紹介するのは2009年公開のアメリカ映画『セブンティーン・アゲイン』です。監督はバー・スティアーズ、主演は『ハイスクール・ミュージカル』シリーズでおなじみのザック・エフロンが演じています。ジャンルはコメディです。

セブンティーン・アゲイン(字幕版)

                   画像はAmazonより

 

 映画冒頭

 

 1989年、17歳のマイク・オドネルはバスケットボールのスター選手で、学校中のヒーローだった。次の試合を観に来るスカウトに認められれば奨学金で大学に行くことができ、本人も周りもそれを確信していた。運命の一戦を前にノリノリのマイク。しかし、恋人のスカーレットだけは浮かない顔。いつもと様子が違うことを不審に思ったマイクが問い詰めると、彼女は妊娠しているという。試合どころではなくなったマイクは試合が始まった途端、試合を放り出しスカーレットと赤ん坊を選ぶのであった。

 

 それから20年経った現在。妻スカーレットに家を追い出され、子どもたちにも無視されているマイクは親友のネッドの家に居候していた。最悪の状況の中での最後の希望であった昇進もダメ、上司に反発したことでクビにされ人生のどん底に立たされる。

 

 過去の栄光に固執するマイクは出身校に足を運び、トロフィーを眺めていた。そんな彼の元に「かつての君を知っている」という老人の用務員が現れ、過去に戻りたいか、と聞く。マイクは高校時代からやり直したいといい、それに対し老人は謎の笑みをこぼし、姿を消す。

 

 その夜、嵐に近い天候の中、昼間の老人が橋から飛び降りようとしているのを発見したマイクは助けようと橋の下を覗き込む。そこには老人の姿はなく、代わりにあったのは大きな渦であった。そこに飲み込まれたマイクは身体が17歳の頃に戻っていた。彼の2回目の高校生活が始まるのであったー。

 

 

 見どころ

 

 「主人公が過去に戻り、未来を変える」という映画は決して珍しくはありません。ただ、この映画が他と異なるのは、見かけは17歳の子ども、中身は37歳のおっさん、という設定がうまくされているところにあります。この構造は日本のアニメで言えば、名探偵コナンのコナンと新一の関係です。

 

 時間軸ごと過去に戻るわけではなく、マイクだけが若返り現在の世界で再び高校生になったわけです。中身は37歳のおっさんなので、当然ファッションセンスは異なっていて痛々しいくらいにダサいです。また、親友のネッドは若返ったマイクの父親として振る舞うことになります。この2人の掛け合いにも注目です。

 

 時間軸は現在のままなので、マイクは彼の息子と娘と同じ学校に通うことになります。マイクは子どもたちが順風満帆な高校生活を歩んでいるものとばかり思っていましたが、決してそうではなくそれぞれに大きな問題を抱えています。

 

 妻との問題、子どもたちの問題、そして、ネッドと学校の校長先生との恋愛(?)。これらがどういった結末を迎えるのか意外にもコメディなのにとても奥の深い映画です。

 

 

 ここまでが前半です。これ以降は考察ですのでお気をつけください!

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 考察

 

 この映画のポイントを

 

 ・時間軸

 ・反復

 ・謎の老人の意図

                     の3点に絞って考察していきます。

 

 時間軸

 

 すでに述べた通り、この作品の時間軸は少し特徴的です。中身がおじさんの高校生が奮闘する姿は意外と面白いものでした。

 時間軸は現在のままなので、マイクが解決すべき問題は自身のものだけではありません。息子の青春、彼女の恋人が「嫌なヤツ」であること、ネッドと校長先生の関係、妻が新しい男を見つけようとしていること、などなど片付けるべき問題を複数にするために時間軸ごと戻すことはしなかったと考えられます。

 

 

 反復

 

 反復という技法は映画でよく使われるモチーフのひとつです。例えば、あるシチュエーションAとあるシチュエーションBがあったとき、両者が似ていれば似ているほど違いが明確に表れ、観ている人に意識させることができます。

 今回の場合、妻スカーレットの元に駆け出し、試合を放棄するまでの過程が反復されていました。しかし、ここでの違いは息子がいたことです。マイクは「現在の時間軸でのスターは自分ではなく、息子なのだ」と理解したためスターへのバトンを渡しました。主役になるべき世界が違うことに気づいたわけです。ここに繋げるために映画の冒頭が存在し、伏線として機能しました。

 

 

 謎の老人の意図

 

 映画の中で何度か登場する謎の老人。映画ではネッドにより「マイクの守護霊」ということになっていたので、守護霊として話を進めていきます。マイクを若返りさせる老人ですが、時間軸ごと戻さなかったことから意図があったと考えられます。初めてマイクが老人に出会ったとき、老人は「ずっと過去の栄光を眺めている」と発言します。実はこの言葉に全てが詰まっています。過去というのは時間軸を数直線で表すと現在よりも後ろにあるものです。過去に固執するということは「前を向いておらず、後ろばかり気にしている」ことを意味しています。

 つまり「過去を変えようとしても仕方がない、変えるべきは「今」なのではないのか」という守護霊からのメッセージだと言えます。守護霊からのもう1つの言葉「期待はずれのヒーロー」という言葉も試合を放り出したことではなく、マイクを頼りにしていたスカーレットや問題を抱えた子どもたちに気付かず過去に執着するマイクに対しての言葉だと言えるでしょう。

 

 

 

  

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 最後まで見ていただきありがとうございます!それではみなさんの良き映画ライフを祈っております。ではでは!