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映画『フェイク・クライム』 見どころ&考察 なぜ「銀行」と「劇場」なのか

 みなさん、こんにちは!なつをです!

 いつも足を運んでいただきありがとうございます!

 

 台風が心配ですね。せっかくお盆には友達と会う予定があったのに台風のせいで中止になりそうで非常に残念です。乃木坂のライブも中止になったそうで、、、経済にもかなり大きな影響がありそうですね。

 外にも出れないので、本日も何本か映画を観ようかと思います。

 

 さて、本日ご紹介する映画は2011年公開のアメリカ映画『フェイク・クライム』です。監督はマルコム・ヴェンヴィル、主演は映画『マトリックス』でお馴染みキアヌ・リーヴスです。ジャンルはドラマ、アクションです。

フェイク・クライム(字幕版)

                     画像はAmazonより

 

 映画冒頭

 

 ニューヨーク州バッファローで暮らすヘンリーはやりたいことも何もなく、ただ毎日を漠然と過ごしていた。彼女との仲も冷え切っており、それについて指摘されても無関心であった。そんな彼はある日、高校時代の悪友エディから野球の試合の助っ人を頼まれる。断ることを知らない彼は言われるがまま、集合場所の銀行へ到着。車で待機していたヘンリーだったが、実はエディらは銀行強盗であり、知らぬ間にヘンリーは強盗の片棒を担がされ、自分だけ捕まってしまう。彼は無実であるにも関わらず、悪友をかばい黙秘したため刑務所に収監され、それから1年後、仮出所したヘンリーは茫然と強盗のあった銀行の前に立っていた。そこで偶然、脇見運転をしていたジュリーに轢かれる。銀行のすぐ隣には劇場があり、彼女はそこで舞台女優をしていた。

 轢かれた後、カフェに連れてこられたヘンリーはトイレに飾られていたある記事に興味を持つ。それは昔、劇場と銀行の金庫が地下道で繋がっていた、というものだった。それを見つけたヘンリーは、本当に銀行から金を奪うことを決意する。

 

 見どころ

 

 本作で1番面白いところは、やりたいことも夢も特になかった主人公が唐突に「銀行強盗がしたい!」と思い立ち、行動に移していくところです。観ている側としては、「そっちに行っちゃうかぁ...」と思ってしまいます。

 しかし、映画冒頭で終始言われるがままで腹立たしささえ覚えてしまいそうだったヘンリーが意思を持ち始めたのでどこか応援してしまうところもあります。

 

 また、銀行強盗に複数の人間の思いが絡んできつつ、ジュリーとの関係も進んでいくというように並行的に話が進んでいきます。銀行強盗に最後まで徹するのか、それともジュリーをとるのか、重要な選択を迫られる主人公には目が離せません。

 

 

 

 これ以降はネタバレを含めた考察になります

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 今回考察するポイントとしてはタイトルにもあるように「なぜ『劇場』と『銀行』なのか」に限定します。

 

 映画内で劇場と銀行が繋がっていたというのがただの設定だったとは考えづらいです。そこでまず、それぞれの性格から整理してみます。

 

 劇場とは「人が何か役を演じる場」であり、言わば「偽の自分が存在する場」です。ヘンリーは劇場と銀行の間にある地下道を今一度開通させるために(銀行と繋がっているのはヘンリーの楽屋であり、その部屋を手にするため)役者として舞台で練習・リハーサルを行うことになります。そこでヘンリーの中で役者としての、偽りの自分が出来上がりました。

 

 一方、銀行はお金を扱う場であり、ミスは許されない場です。そのため嘘とは真逆の「真実しか存在しない場」であると言えます。劇場でのヘンリーが虚構の存在ならば、銀行でのヘンリーは事実の存在だということです。

 

 よって、劇場と銀行には対比というモチーフがあることがわかると思います。そして、地下道は地上からは見られることがなく、対の属性をつないでいます。つまり、他人から見られることがない場所です。

 

 以上のことから、劇場と銀行、そしてそれらを繋ぐ地下道はヘンリーの中の2つの世界を指していて、地下道はさらに境界という役割も持っていると言えます。

 

 はじめは地下道が繋がっていないので境界がうまく機能しています。目的はあくまで銀行強盗でした。しかし、物語が進むにつれて地下道が掘り進められて、劇場と銀行が繋がりそうになるにつれ、境界の機能が薄れ始め、それに呼応するかのようにヘンリーはジュリーに魅かれるようになり、挙げ句の果てには虚構の象徴である彼女を自らの現実世界側に連れてきてしまいます。ここからも地下道が境界であることを裏付けることができます。

 

 そして、物語終盤に見事劇場と銀行が繋がったとき、ヘンリーのなかで現実と虚構の世界を区別する機能は完全に失われ、彼は葛藤します。その結果、彼は演劇そのものを壊し、ジュリーに愛を伝えます。自らの現実に虚構を引きずり込むという行為に至ったわけです。

 

 以上が私の考えた「なぜ『劇場』と『銀行』なのか」に対する答えになります!

 

 

  

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 最後まで見ていただきありがとうございます!それではみなさんの良き映画ライフを祈っております。ではでは! 

 

 台風には気をつけてください!