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【天気の子】考察 なぜチョーカーが切れたのか 5つの重要モチーフを解説

 みなさん、こんにちは!なつをです!

 いつも足を運んでいただきありがとうございます!

 

 新海誠監督最新作、映画『天気の子』が上映開始されましたね!

 新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド

                  画像はAmazonより

 

 私は気になっていた映画としては初めて公開初日に劇場に観に行きました!(『君の名は。』に関しては、うっかりネタバレを見てしまってから映画を観た、という苦い思い出も今となっては懐かしいです。あれからもう3年も経つんですね、、、)

 

 本日も例に漏れることなく、ナイトショーで観たわけですが、公開初日だからかほぼ満員でした、、、!いや〜、すごいですね。これからどんどん人気が出ていく気がします。

 

 さて、今回はそんな『天気の子』をいつものことながら、モチーフで切り取って考察していこうと思います!

 

 なので、ネタバレを一部含みます。これ以降は実際に映画を観てからご覧になってください!!

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 よろしいですかね?それでは続けます!

 

 今回映画『天気の子』が公開される前に、今までの新海誠監督の作品に共通するモチーフについて考察したものがありますので、そちらに足を運んでいただいてから戻ってきてくださるとより面白くなると思います!


www.movie-favorite.work

 

 モチーフ考察

 

 

 

 「天気」といえば「空」なので、大切な要素なのは確定事項でしたが、いきなり空から物語が始まるとは思いませんでした!

 

 やはり映像が綺麗で圧倒されてしまいますね。映画全体を通して、ほとんどの映像で空が映し出されていましたね。

 

 モチーフとしての役割は、観客の意識を上(空)に向けることや、自由さの表現、空間を広くするなどといったものがあります。

 

 今回は空にもう1つの世界(陽菜が囚われていた場所)がありました。意識を上に向ける効果があると言いましたが、初盆の迎え火では煙が空に向かってまっすぐ伸びていくシーンや陽菜が空に連れ去られそうになるシーン、多くの登場人物が視線を空に向けることで自然と私たちの意識も上に向かう仕組みになっていたわけなんですね!

 

 

 

 新海誠監督の作品の代名詞とも言える要素の1つが「水」、特に「雨」でしたね!中でも今回は、物語では8割雨が降っていました。また、物語の最後には東京は多すぎる雨のため街は水に沈み文字通り「水の都」になっていました。

 

 上の記事内で、空ととても相性が良い、というのを述べたわけですが、今回はそれがさらに強調されていました。空と雨(水)だけのシーンも非常に多く、この2つに支配されていた、と言っても過言ではありません。

 

  また、雨の持つ映画での機能も多く存在しました。

 過去作『言の葉の庭』と同じく、雨を降らせることで空間を限定し、登場人物間の距離を近くする働きは健在です。今回はそこに2つの働きが追加されていました。1つは空のときとは反対に視点を上から下に下げることです。雨が降ることで人は傘を差します。これにより空への視線は遮られ、遮られた視線は地上へと向かいます。

 

 もう1つは始まりと終わりです。生命の起源は海からと言いますが、雨がなければ海は生命の起源になりえません。映画内でも雨が魚のような生き物として、一部描かれ生きてはいるがすぐに消滅してしまう、その儚さは生命の始まりと終わりのようにも感じられます。さらに、降り続く雨によって、東京は1度姿を失いました。しかし、数年後東京はその環境に適応し始め、電車から大型ボートでの移動になるなど新しい文化を生み出そうとしていました。

 

 

 

 雨の後に差す光がとても綺麗でしたね!(余談ですが、雨上がりの晴れって湿度がすごいですが、景色としては映画でも現実でも最高に綺麗ですよね)

 

 主人公帆高を東京に導いたのは雨の後に差した一筋の光でしたね。雨と晴れとの対比を描くための大切な要素であり、空に昇っていく煙などと同様に人々の視線を上へと誘導するための機能を兼ね備えています。

 

 さらに、夜の東京の街を照らし、雨の表現的効果を際立たせる役割も持っています。

 

 輪

 

 映画内で輪っか丸いものが多かったのはお気付きですか?代表的なもので言えば、指輪や陽菜が身につけていたチョーカーなどでしょうか。

 

 丸や輪には「永遠」「完璧」といった意味があり、そこから派生して「永遠に途切れない愛を誓う」という意味合いで結婚指輪を渡す文化は生まれました。

 

 つまりリングには「ずっと一緒にいたい」という願いが込められています。映画内でも指輪を見つめるシーンは何度も出てきましたね!

 

 主題歌はRADWIMPSの『愛にできることはまだあるかい』ですしね!


愛にできることはまだあるかい RADWIMPS MV

 

 また、チョーカーやネックレスには「縛るもの」としての意味もあり、陽菜が「晴れ女の力を得た代わりに、人柱になる」という空に縛られていることを象徴するものになっています。物語終盤において帆高が陽菜を連れ戻した際、鳥居の下で陽菜のチョーカーが解けて繋がっていないのは、空から解放されたことを示しているのです。

 

 結び

 

 最後は「結び」です。前作『君の名は。』ではこれが一番重要なモチーフかつ、作品のテーマでしたね!今回も大きな役割を持っていました。

 

 「結び」には「物語の結末」という意味や「何かと何かを繋ぐもの」という意味があります。

 

 映画内では、「彼岸と現世を繋ぐ煙」であったり、先ほども述べたように「陽菜のチョーカー」など後者の機能を持つことが多くありました。

 

 また、少しだけ登場した瀧くんと三葉の2人。彼らのその後を描いた結びもありましたね!

 

 最後に

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

 観終わった直後なのに「もう一度観たい」と思わされた映画でした。

 映画には無駄な表現は一切なく、すべての意味を持ったモチーフが集まることで1つの作品が出来上がります。

 

 今回ご紹介したもの以外にも重要な要素は必ず存在するので、また観に行かれる際は少しだけ今回のことを意識して頂ければ、と思います!

 

 みなさんの良き映画ライフを祈っております!ではでは!