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【アイ・アム・レジェンド(両エンディング)】「蝶の謎」を徹底考察

 みなさん、こんにちは!

 今回は私の大好きな映画をモチーフで切り取り自由に考察していこうと思い、記事にしてます!今回取り上げる映画は『アイ・アム・レジェンド』です。

 以下、ネタバレを含みますので、まだ観てないという方は注意してください!!

 

・映画の紹介 

・モチーフとは

・映画の内容

・考察

・「蝶」が示す意味とは

 

  映画の紹介

 『アイ・アム・レジェンド』は、2007年に製作された、ワーナー・ブラザーズのSFスリラーです。リチャード・マシスンの小説「I Am Legend」の3度目の映画化作品で、この作品にはエンディングが2種類あります。

アイ・アム・レジェンド (字幕版) 

 

 モチーフとは

 この記事における「モチーフ」とは作品を構成する最小の単位のことです。例えば、水、光、時間、など名詞のこと。小、中学校で小説などで「この時の〇〇の気持ちは?」みたいなこと聞かれましたよね?そんなことを考えていてもしょうがない、と私は思います。それだったら、作品に何度も出てくるモチーフでも分析してみようと思うわけです!

 

 映画の内容

  時は2012年、ニューヨークは荒れ果てていた。元陸軍中佐で科学者のロバート・ネビル(ウィル・スミス)はその街で愛犬サムだけを家族として生活するニューヨークに1人だけの生存者である。時を遡ること3年前、科学者のアリス・クリピンがはしかウイルスを元に癌の治療薬を開発。薬は癌患者全員に投与され、全員が治ったとニュースでは報道されていた。しかし、薬を投与された患者の一部に狂犬病のような症状が現れ、治療薬のウイルスが人間を死に至らしめるK.V(クリピン・ウイルス)に突然変異していることがわかる。
 K.Vにより人類の大半は死亡、さらに抗体を持っていて生き残った人々も『ダーク・シーカー』になり、他の人間を襲い、捕食するようになっていた。ダーク・シーカー化を免れたネビルは愛犬サムと昼間は野生の動物を狩り、夜になるとダーク・シーカーが動き出すため、自宅で息を殺して暮らしていた。一方、研究者でもあるため自宅地下でマウスや生け捕りにしたダーク・シーカーを用いてダーク・シーカーを元の人間に戻すための実験を繰り返していた。そして、その研究にも成果が出始める。
 ある日女性のダーク・シーカーを生け捕りにしたためダーク・シーカーのボスに狙われるようになり、ダーク・シーカーにより仕掛けられた罠によりかろうじて逃げ出すも、唯一の家族で愛犬のサムを失ってしまう。ネビルはやけになりダーク・シーカーを車で轢き殺すが、数の力で逆に殺されそうになる。しかし、3年間送り続けたラジオのメッセージを聞いてやってきたアナとその息子イーサンに助けられる。
 しかし、この時ダーク・シーカーに家が見つかり、侵入を許してしまう。アナとイーサンを連れて地下に逃げた先でネビルが見たものは血清により、人間に戻りつつある女性のダーク・シーカーであった。
 
 ここからエンディングが分かれます。
1. 通常エンディング
 逃げ切れないと悟ったネビルは人間に戻りつつあるダーク・シーカーから血清を採取し、それをアンに託し、手榴弾を抱えてたくさんのダーク・シーカーと共に死亡する。その後、アンたちは他の人間が暮らすコロニーに辿り着き、ネビルは血清を完成させた英雄になったのであった。
 
2.別エンディング
 同じく逃げ切れないと悟ったネビルは、死んだ娘の声を聞き女性のダーク・シーカーをダーク・シーカー達に明け渡すことを決断。ダーク・シーカーのボスはそのダーク・シーカーを連れ帰り、3人は助かる。その後、3人で他の人間が住むコロニーに向かうのであった。
 
 考察
 本作の構成はとてもわかりやすく、2つの陣営による2項対立です。作品前半は主人公ネビルの視点から語られる。ダーク・シーカーは人間を襲う「悪」であり、ネビルはそんなダーク・シーカーを人間に戻そうとする「善」として描かれます。また、ネビルが行動するのは「光」があるとき、対してダーク・シーカーは紫外線に弱く、「闇」に生きる。この両者は一方が行動していれば、もう一方は表に姿を現さない。これもモチーフによる対比でお互いに混ざり合う(和解し合う)ことがないことの強調ではないでしょうか。特に通常エンディングでは物語終盤、ネビルがたくさんのダーク・シーカーと共に死ぬことで、残った人類から「英雄」として語られることでさらに二極化されます。
 しかし、別エンディングでは視点の変更、つまり「価値観の逆転が起きます。これが本作の1つの大きなテーマです。ダーク・シーカーからしてみれば、ネビルは仲間をたくさん実験の末に殺し、大切な彼女(?)を奪った「悪」であるわけです。人の価値観には少なからずバイアス(偏り)がかかっている。一つの見方だけを持つことの危険性がよくわかりますね。
 
 また、本作では「音」が重要です。時間により2つの陣営は二項対立をとっています。そして、その攻勢の逆転を知らせるのが音です。また、別エンディングにおいて女性のダーク・シーカーを引き渡すきっかけを作ったのも娘の「声」でした。本作において「音」は転換・逆転効果を与えるモチーフであると言えます。
 
 そして、最も重要なのが「蝶」ですよね。初めて蝶が出てきたのは、ニューヨーク市が封鎖される直前、ネビルの娘が発言したものです。途中は出てこなかったものの両エンディング共にクライマックスで蝶が登場しています。それは女性のダーク・シーカーの体にあった蝶の刺青ですが、実はもう少し前に登場しています。わかりやすいのは別エンディングの方で、ダーク・シーカーのボスが強化ガラスに手で描いている。対して通常エンディングでは同じくボスがぶつかってできたヒビの模様がしっかり蝶になっています。
 
 では、その「蝶」が示す意味とは?
 
 実は蝶には「幸運」であったり、キリスト教においては「復活」を意味していたりします。また「魂」のシンボルでもあり、刺青の場合、「新しい世界に羽ばたく自由の象徴」でもあります。こういったことから考えるに、蝶は自由の象徴を指す比喩として、上で述べたことにも関係して、「一つの考え方に固執するな(バイアスからの解放)」という意味があるのでは、と考えました。(色々な解釈がありそうですね!)
 もちろん、娘や妻への愛という意味もあると思います。
 
 

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最後まで読んでいただきありがとうございました!長々とした文章ですみません🙇
この記事をきっかけとして、さらに映画が面白く思っていただけたら、とても嬉しいです!皆さんの良き映画ライフを祈っております!